料理は文型?それとも理系?


芸術と科学のあいだ

こんにちは。フードプロデューサーの高田大雅です。早速ですが、ひとつ質問。皆さんは料理を作るとき、どんな風に作りますか?

何を作るかはっきり決めず思うままに作る人、きっちり分量を量って用意しておき、手順に沿って作る人、あれはこれで代用できるからこうしてみよう、と創作する人etc...。作り方や盛り付け方、お皿の使い方は人それぞれ。キッチンの前では作る人一人ひとりが表現者(アーティスト)になれる場だと思いませんか?

僕は分量をきっちり量るのが苦手(嫌い)です。レシピを書かなければいけないとき以外は気の向くままに作り、味見をしながら仕上げていくスタイル。感情に任せる文型タイプなので、細かい盛り付けはその時々で変わることがよくあります。逆に手順をきっちりマニュアル化し、論理的な思考を持っている理系タイプの方を見るとすごいなーと尊敬してしまうほど。

どちらにしろ、料理を楽しむ姿勢が大事なのでどちらがいい、ということはないのですが、バランスよく持ち合わせていると更に料理を楽しめますよ。自分の思うままに盛り付けられる(表現できる)場、手順どおり作ることで作りたいものを作れる場、どんな立場でもいいのでいろいろ作って楽しんでほしいと思います。

上の写真は豆乳塩麹鍋、これからの季節に温まる一品です。この鍋の盛り付けは芸術という文型ですが、美味しく食べるには理系の力も必要。というのも、豆乳は沸騰させると分離してしまう特性があり、最初から野菜を豆乳で煮ると分離して見た目がきれいではないものになってしまいます。入れるタイミング、温める温度というのは科学の力で理解することが出来ます。豆乳以外にもカルボナーラをトロトロに仕上げるためにも科学が必要。卵のたんぱく質が変性して固まる前にパスタ・チーズと絡めてぼそぼその炒り卵を作らないようにするにはどうするか、デザートでもホイップクリームをきれいに泡立てるにはどうすればいいかなど、美味しく作るにはコツがあります。
いろいろ作ってみて、もう一歩ステップアップしたい方、料理の「なぜ?」を理解したい方はこんな本を読んでみてはいかがでしょう?



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